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SOKA GAKUEN BOOKLET

VOL.2 ―ICT教育―


今や、社会のあらゆる場所でICTの活用が日常のものとなっている。
学校においても、児童へ1人1台のタブレット端末が貸与され、子どもたちの学習環境が大きく変わる、転換点を迎えた。
今回は、いち早くICT機器の活用に取り組んできた、東京創価小学校での学びの様子に迫る。

学びの「進化」×「深化」


「これってどう思う?」「こうしたらどうかな?」小学校の教室からは教員の声と一緒に、児童の元気な声が聞こえてくる。

教室を見渡すと、電子黒板とタブレットを使った授業が行われている。児童には1人1台のタブレット端末が貸与され、課題提出や発表、実験や課外授業などで活用される。

家に帰ってからも、1日の学習を振り返るだけでなく、教材や教員手作りの学習コンテンツを利用して、自宅学習も可能。時代に応じて学びを“進化”させ、さらにICTの活用によって学びを“深化”させている。

全員主役のオンライン授業


東京創価小学校では、児童同士が話し合いを通じて思考を深める学習スタイルが特徴。個人で淡々と課題に取り組むだけでなく、「みんなで課題を解決しよう」「仲間に声を掛けよう」という風土が醸成されている。

オンライン授業に切り替わった際も、「仲間とともに課題に取り組む楽しさを実感してほしい」との思いから、教員からの一方向の授業ではなく、児童同士の学び合いを中心とした授業に挑戦。

Zoomのブレイクアウトルーム機能を使って少人数に分かれ、一緒に問題を解いたり、自分の考えを表現したり、友達の考えにふれたりすることで、児童の笑顔があふれる、全員主役のオンライン授業を展開した。

そこには、端末を介しても、教室での授業と変わらない「学び合う」空間が広がっていた。

プログラミング的思考の育成


ICT教育は、ICT機器を効果的に活用することによって、コミュニケーションが新たに生まれ学習活動をより充実させるほか、児童のプログラミング的思考を育む側面もある。

プログラミング的思考とは、「必要な動きや組み合わせを考えて、問題解決のために効率的かつ論理的に考える力」のこと。急速に社会が変化していく現代では、「提示された問題を解くこと」よりも、「自分で問題を提起して、解決まで実行すること」が求められている。

東京創価小学校では、プログラミング的思考を学ぶために、3つのプログラミング段階を用意。
第1段階では、パソコンを使わず、教員手作りのプログラミング的思考を育むための学習教材を作成。
第2段階では、パソコン上で、物や人を動かしながら楽しく学ぶ。
第3段階では、実際にロボット等のプログラミング教材を使用するなど、各学年ごとに計画的に準備されている。

授業での実践の他に、身近な教室の中にある、カードゲームやパズル等のプログラミング教具を通して、無意識にプログラミング的思考を育んでいけるような工夫も施されている。

「うまくいかないな?」「次はこうしてみよう!」と、失敗と挑戦を何度も繰り返す中で、ゲーム感覚で、プログラミング的思考を身につけている。

挑戦~未来に羽ばたく子どもたちのために~


今、教育現場は大きな変化の中にある。学びの在り方が変わっても、児童が主体的に学べる環境をつくりたい。それが教員一人ひとりの願いであった。

ICT機器導入までの細かな計画や、児童専用のポータルサイトの作成、保護者との協力が東京創価小学校の挑戦を加速させた。ICT教育は、児童と保護者、教職員の三者の挑戦と協力があってこその推進だと担当者は語る。

ICT機器の活用により、従来の一斉学習だけでなく、一人ひとりの理解度に応じた個別学習や、児童同士による学び合いがより活性化され、学びが広がった。
時代はsociety5.0を迎えようとするなか、必要とされる能力や資質も変化し続け、どんな社会でも生き抜いていく力が求められている。

創立者は、「教育は、知識を与えることを目的とするのではなく、自分で考え、自分で得た知識を生かしていく方法を会得するためにある」(新・人間革命『若芽』の章)と語られている。
東京創価小学校では、ICT機器を学びのツールとして最大限に活用しながら、仲間とともに新しい価値を生みだし、人生を自分で切り拓いていく、「創造性豊かな世界市民の育成」に挑戦し続けていく。

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