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SOKA GAKUEN BOOKLET

VOL.3 ―国語教育―


近年、「誰も置き去りにしない」というSDGsの理念が注目されている。創価中学校ではすべての授業で、その実践にいち早く取り組んできた。
中でも国語の授業では、世界に通用する力をつけるために、多様な言語活動が行われている。
世界市民の育成を目指した、「誰も置き去りにしない授業」とはどのような授業なのかー創価中学校のユニークな国語教育に迫る。

主体性を養う創価中学校の学び合い


創価中学校では、学びの実感を大切に授業を行っている。教員の役目は、生徒がより深い気づきや学びを得られるようにサポートすること。生徒同士が協力して問題に取り組むことで、主体的に学ぶ力を伸ばすことができる。

ポイントは豊かなインプットと良質なアウトプット。そして、「自分自身が変わった」という実感と協同する学びで構築される信頼関係。そこに「誰も置き去りにしない」空間が自然と形成されていく。

家に帰ってからも、1日の学習を振り返るだけでなく、教材や教員手作りの学習コンテンツを利用して、自宅学習も可能。時代に応じて学びを“進化”させ、さらにICTの活用によって学びを“深化”させている。

意欲と探究心を刺激するユニークな授業


国語科では、教科書だけでなく、様々な学習教材を用いて、言葉を深く探究する。

一冊の文庫を一年間を通じて、皆で読み進める授業を、全学年で実施している。
登場人物の心情を理解し、自分にあてはめて考えてみる。物語の世界でしか得られない気付きや名作の持つ広がりをじっくりと味わう中で、豊かな言語感覚、想像力の育成につなげる。

プレゼンテーションをテーマにした授業では、まず「聞き手に正しく情報を伝え、行動を起こしてもらうこと」をゴールとして設定する。有名販売員をモデルに研究しながら、個性を活かしたプレゼンを作り上げる。

また、創立者の詩を朗読する「朗読コンテスト」を毎年行っている。詩の言葉一つひとつにどのような思いが込められているのかをチームで考え、話し合う。創意と工夫に満ちた朗読を行っていく。

さらに読書教育の一環としてビブリオバトルも行っている。友人の本に対する情熱に触れて、幅広い本の世界に目を開いていく。

その他にも、ディベート、物語創作など、一人ひとりが持っている“言葉の力”を引き出す授業を実践し、生徒の学ぶ意欲を高めている。

共創的対話 ~対話から価値を創造する~


先の見えない時代。他者と共に対話し、新たな価値を創造していく力は不可欠である。
共創的対話とは、対話を通して、互いの意見を認め合い、そこから新たな価値を創造することである。

一つの問いには何通りもの考え方、答えがある。互いの考えを認め合い、共に磨き上げていくことで、思ってもみなかった答えを創り出す。
そこには協働する喜びがあり、探究する楽しさがあり、学ぶ感動がある。


<創価中学校における共創的対話>
学校のあらゆる場面で必要となる「共創的対話」の力を高めるために、それに特化した学習にも取り組んでいる。
中学2・3年生では、自分自身を客観的に理解するメタ認知能力を高めるため、班でのディスカッションを録音し、多様な視点で振り返りと分析を行っている。
この取り組みを通して、ディスカッションを効率的に進めるコツや、皆が納得する意思決定・合意形成に導くための話し合いの道筋の立て方などを学んでいる。

人生を切り開くための言葉を鍛える


学園の国語の授業では、認識力を高める豊かな「インプット」、自分の考えや思いを適切に表現する良質な「アウトプット」、そして多様性を尊重する対話を通して新たな価値を創造する「共創的対話」に取り組む。

教員は手本を示すのではなく、手本に導くことを目標とする。そこには、生徒自身が気付きを生みだす過程を大事にし、学ぶ喜びを知ってもらうとの考えが根幹にある。それは創価教育の父・牧口常三郎が大切にした教育思想である。

国語科教員は語る。
「人としての根底をつくる教科が国語だと思っています。子どもたち一人ひとりが自らの言葉の力を持っています。それを引き出し、磨き上げ、また子どもの中に返していく。そのようなプロセスを大切にした国語科の授業を目指しています。」

創価中学校では、世界市民の育成に向けて、誰も置き去りにしない探究的な学びの挑戦を、これからも続けていく。

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