VOL.4　―世界市民探究 GCIS―

「創造性豊かな世界市民」の育成――人類の平和と幸福のために貢献し、価値を創造しゆく世界市民の育成は、これまで創価学園が深め、挑戦してきたテーマである。
創価高校では3年間をかけて世界市民として必要な資質・能力を培う、世界市民探究「GCIS」プログラムを実施している。
地球規模課題解決をはじめ、社会・世界で活躍する人材に成長するための取り組みに迫る。

世界を取り巻く地球規模課題に挑む

創価高校はこれまで、SGH（スーパーグローバルハイスクール）認定校として、国際的に活躍できるグローバルリーダーの育成に挑戦してきた。
現在もSGHネットワーク校として、またUNESCOスクールチャレンジ校として、“創価高校が輩出すべき世界市民とは何か”“そのために培うべき力とは何か”を問い続けている。

GCISでは「私が世界を変えていく」というヴィジョンのもと、世界を取り巻く課題に立ち向かうための資質・能力を養う。
地球規模の課題は、決して一人では解決することができない。同じ目標に向かって努力する多くの仲間と共に協力し、たとえ自分とは遠いことのように思える課題を自分事として捉えて挑戦する。
その中で、課題に立ち向かうための確かな実力を身につけていく。

＜SGH（スーパーグローバルハイスクールとは）＞　
文部科学省が国際的に活躍できる人材育成を重点的に行う高等学校を指定する制度のこと。その目的は、社会課題に対する関心と深い教養、問題解決力、コミュニケーション能力などの国際的素養を身に付けた将来のグローバル人材を高等学校段階から育成することにある。

グローバル社会を生き抜く人材の育成

者と協力して平和な社会構築のために貢献しようとする「社会力」

これらのスキルは、創立者・池田先生が示された、校訓や五原則、また合言葉をもとに創り出されたもの。創立者を模範とし、創価高校生一人ひとりがグローバルリーダーになることを目指している。

「GCIS」の取り組み－世界を変える方法を探る－

１年生では、基礎的な探究学習の技術を学ぶ。探究に必要なデータ分析や仮説を証明する力を養い、グループワークを通して仲間と協力する大切さを理解する。
また、食品ロスをテーマに、グループのメンバーと約半年かけてその解決策を探る。
時には小売店や農家を訪ね、現場の人に直接話を聞く。課題がどこにあるのか、より広い視点から、より深く問題を認識する力を身につける。

２年生では、「行政」「企業」「大学・研究機関」「NGO・国際機関」の４つのコースに分かれ、自分の興味関心のあるテーマに基づいて約１年間、課題解決のためにグループワークを行い、探究学習を深める。
生徒の励みとなっているのが、それぞれのグループに各分野の第一線で活躍している卒業生が担当講師として入り、テーマ設定をして探究学習をサポートしていることである。
知識や技術を学ぶことはもちろんのこと、創価高校出身者としての誇りを胸に社会で挑戦を続ける先輩の姿から、大きな触発を受ける場となっている。

私が世界を変えていく

３年生では、各々が探究したい地球規模課題の問いを設定し、その成果をポスターと論文にして発表する。
テーマは、「後発開発途上国の教育問題」「音楽が世界に及ぼす影響について」「災害時における被災者と援助者の心のケア」など、多岐にわたる。
また、取り組みのメインとなる内容は、探究学習とあわせて、創立者の著作から、地球規模課題に対する考察や提言にふれること。
各分野において、創立者が世界の識者とどのような対話を重ね、提案をしてきたのかを学んでいる。
探究学習について、生徒からは「自分のアクションが世界を変えていくのだと実感した」「他国の問題にも目を向け、行動できる人になりたいと思った」などの声が寄せられている。

GCISの担当教員は語る。
「GCISを通して、問いを立てることが習慣化され、行事や日常の活動でも、自分たちで問題を見つけて課題設定をするようになりました。プレゼンテーションなどもすぐにまとめて伝える技術が身についており、表現力や思考力が非常に高くなったと感じています。これからの時代は、様々な人種や国家の人々と、チームで課題を解決する力が必要になります。その時に、負けじ魂の心を持った人材として社会で活躍して
ほしいと願っています」
社会のため、世界のために貢献していく世界市民を育てゆく創価高校の使命は変わらない。今日も創価高校には学園生の語り合う声が響いている。

「私が世界を変えていく」